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[C9]

あいかわらず、しっかり…RPGしてますw
各階ごとにストーリーを作っているのは、いいですね。
臨場感があって、わかりやすいです。
それに、じわじわと石化する雰囲気も出ていますし。
ラストは、ちょっと可哀想ですね。
うちのキャラなら、何度でも再生するのですが(爆)

[C10] いつもご覧頂きありがとうございます。

>るにょうにケンさん

ええ…今回は「必死に石化に抵抗するが、それも徒労に終わる虚しさ」を題材に少し悲しい(?)物語を女剣士に演じてもらいました。
ちなみにこの女剣士は、アルの不思議な宝箱の女剣士と同一人物です。多分。
続きものではなく「読みきりタイプの全く別のお話」なので、蘇生の手順が必要ないのが便利ですね。
今後も彼女には不幸な目に遭ってもらうかも知れませんw
  • 2007-03-19
  • 投稿者 : ぱるばと
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生きたかった石像

例えそれがかつて神を崇めるような神聖な場所であったとしても、廃墟になって相当の年月が経てば、ただのダンジョンと化す。そしてそこはモンスター達にとって格好の住みかとなる。

モンスター達が多く住みついたダンジョンは、一般の人間達には恐怖の対象となるが、
命知らずな冒険者達はこぞってそこへ進入して行く。

ある者は様々なモンスターとの戦闘経験を積みたいが為。
ある者は遺跡内に残されたお宝捜索の為。
ある者は最深部に到達する事で達成感を得る為。などなど。

どんな理由からかは定かでは無いが、ダンジョンと化した神殿の地下5階で奮戦する1人の女剣士の姿があった。





― B5F ―


「でえええええ~~…」

追い詰めたモンスターに止めの一撃をお見舞いすべく、剣を頭上に構え高く跳躍する。


ギンッ!!

モンスターは自分に向かって降下してくる人間を憎悪を含んだ目で睨みつけた。
悲しいかな、既に致命傷を負ったモンスターにとって、それが唯一許された抵抗だった。

「…えええ~~い!!」

――ザン!
手ごたえあり。

ゲェェと力の無い断末魔の声を上げる。

「ふぅ。」

しゃがみ込む様な格好で着地していた剣士は、その声を聞いてからようやく立ち上がり、剣を腰の鞘に収めた。

深いスリットが入れられたスカートを手でパタパタと払う。
ダークグレーの長い髪はポニーテールにまとめられ、上半身には比較的軽い胸当てを付けている。

髪の毛と同じ色をしたその瞳で、たった今自分が倒した相手を見つめる。
鶏冠のようなものを付けた独特の頭に、爬虫類のような胴体。バジリスクである。

猛毒や石化能力を持つモンスターをして有名であるが、ダンジョンの奥深くに住み着いている事、戦闘能力が高くまた逃げ足も速い事、そして「猛毒・石化」と言う噂を恐れる人が多い為、実際にバジリスクの姿を目撃した者は数少ない。
巷ではドラゴンを超える巨体であるとか、絶滅していて既に存在しないモンスターであるとか、多くのデマが流れていた。


たった今、幻となりつつあるモンスターを倒した女剣士だが、彼女もバジリスクを目にしたのは初めてである。

「何だったんだろう、こいつ?新種のモンスターかな?」

嘘デマカセが出回っている街で、バジリスクの知識を付けろと言う方が無理だ。
だから彼女は、バジリスクと言う名を聞いた事があっても、まさか目の前で息絶えているそれがそうだと気付くよしも無かった。


ピキ…

ピキキキ…


静まり返ったダンジョン内。
どこからか音が小さな音が聞こえて来る。

まるで、水が凍って行くような冷たい音。

不信に思った彼女は耳を澄ませる。
新手のモンスターが迫っているのだろうか。

ピキキキ…

いや違う。音は彼女の足元から聞こえる。
音の出所に目をやった彼女は、ぱっちりとした目をさらに大きく見開いて驚愕した。

自分が今履いているブーツの爪先部分が石に変わっている。
いや、ブーツだけではない。その中の彼女自身の爪先も石に変わっている。
ブーツを脱いで確認したわけでは無い。足の指が動かないのだ。それに爪先に体温が無くなっているのもわかる。


ピキ…

ピキキ…


緩やかではあるが、徐々に下から石化が進行している。

「まさか……これが噂の…」

彼女は隣に横たわるモンスターの死骸を見つめた。

「バジリスク……」






― B4F ―


足首辺りまで石になってしまった脚で階段を上るのには少々苦労したが、何とか地下4階まで戻ってきた女剣士。

全身が石になってしまうまでに、街に戻らなければ…!
この際誰でもいい。今の自分の状況を伝えなければならない。
無事街に辿り着き、人に助けを求めたところで石化が解除される保証は無いが、このままこの神殿の奥深くでじっとしているよりはずっと希望がある。
それに上のレベルの低い階層で、他の冒険者と出会える可能性だってあるのだ。

彼女は一刻も早く神殿を出るべく、そして一刻も早く他の人間に会うべく、大急ぎで来た道を戻る。
大急ぎとは言っても足が割れてしまう恐れがある為、走る事は出来ない。
それでも彼女は可能な限り速く、地下3階へと続く階段を目指すのだった。

しかし、ここはダンジョンと化した古代神殿。
倒しても倒しても沸いてくる程のモンスターが巣食う場所でもあるのだ。


カシャン、カシャン…。
金属製のブーツか、それとも全身防護の鎧か。
暗闇の奥から金属の足音が近づいて来る。

「…っ!こんな時に!」

2体の首の無い鎧が女剣士に向かって歩いて来る。
彼女にとっては普段から戦い慣れた「ザコ」に入る部類だが、今の状況ではそうも言ってられない。
それでも彼女は剣を構え、突進してくる2体のモンスターを迎え撃った。





― B3F ―


ピキキ…

冷たい音。絶望の音が彼女の身体を這い上がって来る。
スリットから覗く彼女の太股は、血が通った温かそうな肌色では無く、無機的な灰色へと変わってしまっている。

「はぁ…はぁ…」

しかし、股関節はまだ生きている。
彼女は壁に寄りかかり、ずしっ、ずしっと重い歩を進める。


はっ…はっ…はっ…はっ…はっ…

荒い息遣い。しかしこれは女剣士のものではない。
彼女の血肉を喰らうべく、一直線に突進してくるモンスター。
一見、茶色い犬のような姿をしているが、飢えに満ちたその目は真っ赤で、長く伸びた舌が地面をこすっている。

「くっ…!」

相手にしている暇はない。
けれども逃げる事も出来ない。
女剣士は、残された貴重な時間を犠牲にして、戦闘を開始するのだった。




― B2F ―


ズルッ…ズルッ…

完全に動かなくなった下半身を引きずるように彼女は進んでいた。
ホフク前進などと言う格好の良いものでは無い。

剣を片手で握ったまま、腕だけで歩いていた。

「はぁ……はっ…はぁ…」

もはや息遣いにも規則性は無くなり、顔は青ざめている。
それでも進もうとするのは、彼女の生への執念か。

「まだまだ…こんな所で…」


地下1階へと通じる階段が見えた。
そうすればもう一歩頑張れば地上に出られる。
通りすがりの冒険者が見つけてくれるかも知れない。


「はっ!?」

バサバサッという羽音と共に、ねずみにも似た泣き声。
女剣士が顔を上げると、巨大な吸血コウモリが羽ばたいていた。


立ち上がる事の出来ない身体では、剣は邪魔にしかならないと判断したのか、
ポイッと脇に捨てると、手のひらをコウモリに向かって突き出す。


「邪魔……しないで!」

彼女の手のひらから勢い良く火の玉が発射され、コウモリを直撃する。
全身を火に包まれ、地面でもがくコウモリが完全に動かなくなるのを待たずに、女剣士は血だらけになった手をなお使い、ずりずりと階段を上り始めた。





― B1F ―


すぐ目の前に階段がある。
上から光が差し込んでいる。

そこに行けば日の光に当たる事が出来るのだ。

光が差し込んでいる場所からほんの2~3メートル程の距離か。
女剣士は既に自力で動けなくなっていた。

腕まで完全に石になってしまったのだ。


ピキ…

ピキキ…

不気味な音がすぐ耳元で聞こえる。
ついに石化は顔面を侵食し始めたらしい。

あと少し…。
あと少しで地上だと言うのに。

怖くて、そして悔しくて…彼女は泣いた。
もう声も出ないし、涙も片方の目からしか出ない。
それでも彼女にとっては今まで生きて来た中で最大の号泣だった。



その時。


ざっざっざっ…。


足音が聞こえた。

地上からでは無い。同じフロアに誰かがいる。
足音の主を探したいが、首が動かない。
女剣士は、残された片方の目をきょろきょろと動かす。


ダンジョンの奥側から、何かが近づいて来る。
女剣士の顔が向けられている方向からだ。
またモンスターだろうか。だとしてももう自分にはどうしようも無い。

やがて、ぼんやりとシルエットが浮かび上がる。

それは人の形をしていた。


女剣士の瞳に期待を帯びた輝きが宿る。

シルエットが近づいて来るにつれて、その容姿が明らかになる。



イボイボした緑色の肌。下から上に伸びる2本の牙。手には棍棒を持っている。
ゴブリンだった。

「ゲゲェア」

と声を上げ、自分に向かって振り下ろされる棍棒。
それが、女剣士が見た最後の光景だった。






― 1F ―

「この下には、たくさんのお宝が隠されていると私の本能が言ってますが…。さすがに1人で入る勇気はありませんねぇ。」

気の弱そうな太った男が廃墟の中央部に存在する、地下へと続く階段の上で逡巡していた。
お宝目当てで、この廃墟となった神殿に足を運んでみたものの、さすがに地上には価値のあるものは残されていない。

「でも…ちょっとだけなら入ってみようかな…。そんなに深くまで行かなければ、モンスターも弱いだろうし……って、ああっ!」

階段の上から、地下を覗き込んでいた男が何かを見つけた。
体格に似合わず素早い動きで階段を駆け下りる。
そこには10近くのパーツに砕かれた石像が転がっていた。

「ああ、勿体無い。これだけ精巧な石像なら、相当な値段で売れたのに~。」

壊れた石像をじっとみていた男だったが、やがて…

「でも、これだけでもちょっとしたオブジェにはなるかな。」

と言って、なかなか可愛い顔をした石像の首を持ち、じっと鑑賞する。
何も全身像で無くても良いのだ。

顔だけでもちょっとした飾りにはなるかも知れない。
誰の作品なのかはわからないが、これだけ精巧に造り込まれているのだから、頭部だけでもそこそこの値で売れるかもしれない。

「そうと決まれば善は急げだ。あ、あとこれは私の部屋に飾っておこう。」

男は石像の頭部と、下着が露になった股間部を脇に抱えると「キャッホー!」と叫びを上げながら、一目散にその場を後にした。


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あいかわらず、しっかり…RPGしてますw
各階ごとにストーリーを作っているのは、いいですね。
臨場感があって、わかりやすいです。
それに、じわじわと石化する雰囲気も出ていますし。
ラストは、ちょっと可哀想ですね。
うちのキャラなら、何度でも再生するのですが(爆)

[C10] いつもご覧頂きありがとうございます。

>るにょうにケンさん

ええ…今回は「必死に石化に抵抗するが、それも徒労に終わる虚しさ」を題材に少し悲しい(?)物語を女剣士に演じてもらいました。
ちなみにこの女剣士は、アルの不思議な宝箱の女剣士と同一人物です。多分。
続きものではなく「読みきりタイプの全く別のお話」なので、蘇生の手順が必要ないのが便利ですね。
今後も彼女には不幸な目に遭ってもらうかも知れませんw
  • 2007-03-19
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