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[C2] あとがき

早速リクを頂きましたテーマを元に書いてみたら、結構な長さになりました。今の私の力ではこれが限界なのですが、お気に召して頂けるかどうか心配です…。
  • 2007-03-08
  • 投稿者 : ぱるばと
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[C3] 萌えました!

まず、もう…こちらに書いてよかったのでしょうか?
不味かったら削除してください。(^^A
それにしても、萌えましたねー♪
途中の描写もいいですが、鍋の中で煮込まれている(?)和泉を想像したら、それは…もぉ~っ♪
お父さん役も、同業者ということで、うまくフォローしましたね。
さすがですw
更に、最後の娘の台詞もいいですが、お父さんの…
「「あ…ああ、いつもと違う出汁を使ってみたんだ…わはは…」
(すまん、倉田。俺も所詮男だ…。)
――は、ナイスですw
この和泉の話、ぜひ…シリーズ化して欲しいですね。
P,S,リンクの張替えは、いつごろ行ったら良いでしょうか?

[C4]

>るりょうりに ケンさん

早速ご覧頂いた上、コメントまで…ありがとうございます!お気に召したようで一安心です^^;
このSSには「さいきっく事件簿」と命名致しましたが、シリーズ化を考えてます。色んな娘に人形になって欲しいので、毎回違う主人公で行こうかなと思ってたのですが、ご要望頂いた事ですし、機会があれば、再び主人公なり、脇役なり、何らかの形で和泉をまた登場させてみたいと思います^^

あとサイト名もようやく決まりましたので、リンク大丈夫です。ありがとうございます!
  • 2007-03-09
  • 投稿者 : ぱるばと
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さいきっく事件簿 ACT.2

― 1 ―

万が一の為に着込んだ服が役に立った。
それが不幸中の幸い。
しかし、不幸の比重が大きい事に変わりは無い。

特定人物の追跡任務を引き受けた和泉は今、幼い女の子の手の内にいた。
自身の身体を小さく出来る能力は、追跡や侵入活動に持ってこいなのだが、和泉にはその性格柄、向いていない仕事なのかもしれない。
追跡すべきターゲットのみに注意力が注がれ、周囲への気配りが出来てなかったのだ。

「あ!お人形さんが落ちてるぅ!」

背後から聞こえた声に、彼女は全身を硬直させ、一切の動きを静止する以外に方法は無かった。
小さくなった自分の姿が発見された時、相手に人形であると思い込ませ易くする為、予め人形用のピンクのドレスを着ていた。

その効果あってなのかどうかは定かではないが、和泉を見つけた女の子は彼女を直ちに人形だと判断してくれた。


伊藤 加奈子。6歳。
まだ新品同様の光沢を放つランドセルが、彼女が『ピカピカの一年生』である事を証明していた。

「なぁんだ、カナちゃん。小学生なのにまだ人形なんかが好きなんだ?」

加奈子の隣を歩いていた幼馴染の男の子が冷やかした。

「ふんだ!たっくんだって、学校にこっそりロボット持って来てるじゃない!」

「ロボットはカッコイイからいいの!そんな人形なんかカッコ良くないよ。子どものおもちゃだよ。」

「ロボットなんてちっとも可愛くないもん!ロボットの方が子どものおもちゃだもん!」

加奈子は人形の可愛らしさをアピールし、ロボットをけなす。
幼馴染の男の子はロボットの格好良さをアピールし、人形をけなす。

その内に、お人形とロボットが戦い始めた。

はたから見れば何とも微笑ましい光景だが、そうは言ってられない深刻な状況に陥っている人物が1名。
和泉である。

ひりひりする額を手で押さえる事も出来ず、ずっと笑顔を浮かべているが、その目には僅かに涙が滲んでいた。
ロボットパンチを顔面に喰らったのである。

「やったわねぇ!シンデレラキーック!」

加奈子は和泉の足でロボットを蹴る。

「えい!」

すぐに反転させ、頭突きを喰らわせ2HITコンボが決まる。


ガンッ!!

(くぅ~っ…いったぁあ~!)

実際にはロボットにでは無く、『お人形』にダメージが蓄積される一方なのだが、
加奈子とたっくんの激戦は、お互いの持ち物がボロボロになるまで続いたのだった。






― 2 ―

「ただいまぁ~!」

「よぅ!おかえり!」

加奈子が帰宅を告げると、キッチンから彼女の父親の声が返って来た。
加奈子の母は既に他界しており、今は父・惣一が男手1つで彼女を育てている。

「わぁ、お野菜がいっぱい!」

「今日はな、お父さん特製の美味しいお鍋だぞ~」

トントントンと手際良く人参を切りながら、惣一が自慢気に言った。

「ねぇねぇお父さん。今日可愛いお人形拾ったの~」

料理中の父親の目の前に、ボロボロになりながらも人形のフリを続ける和泉を差し出す。

包丁を扱っている惣一は、和泉をちらっと一瞥しただけで

「可愛いって言うよりは…何だかえらい汚いなぁ…」

とコメント。

その発言により、笑みを浮かべる人形の額に血管が浮かび上がったが、2人ともそれに気付く事は無かった。

「あぅ…汚いのはたっくんのせいだよ…」

そう言いながら加奈子は機嫌の悪い笑顔を、悲しげに見つめるのだった。



「おっとと…ポン酢と…白菜も足りないなぁ、こりゃ。
ちょっとお父さん、そこのスーパーに買い物に行ってくるわ。その間に着替えときなさい。」

「行ってらっしゃーい」

惣一を見送ってから、加奈子は汚れてしまった人形を見つめる。

「そうだ!このお人形さんをキレイにしてあげなきゃ」

ドレスの背中に貼られているマジックテープをはがし、スルリと脱がせる。
ドレスは人形用のものを着込んでいたが、下着は和泉が普段からから着用している『人間用』なのだが、幼い加奈子には分からない。
そして、ハイヒールと上下の下着を脱がせ、全裸にする。

「う~ん…お人形さん用のお風呂なんて無いよぅ…」

何か代用出来る物が無いかと辺りを見回す加奈子の目が、パッと輝きを帯びた。








― 3 ―

(また…裸にされちゃった…。アタシってこんなのばっかり…)

それでも「以前の展開よりマシ」と思えるのは、自分が裸体を晒している相手が幼い女の子だからであろう。
正直、父親が出て行ってくれたのはありがたい。だからと言って、今の状況を打開できるわけでもない。

(か…顔がひきつる…)

人形のフリをして、もう2時間は経つだろうか。ずっと身体を硬直させ、まばたきさえろくに許されないその笑顔に疲れが見え始めた。

(父親は出て行ったから…あとはこの子よね。なんとか目を盗んで逃げ出さないと…)


「えと…ちょっとだけなら…いいよね?」

加奈子が少し迷うような独り言を漏らした。和泉は目だけを動かし、加奈子の視線の先にある物を確認する。
途端、和泉の顔が青ざめた。

「さ、お人形さん。お風呂に入ってキレイになりましょ~ね!」

加奈子が向かう先に置かれている物。
それは今夜の夕食の為に用意されているカセットコンロの上に乗せられた土鍋。

(ちょ…ちょっと…!?)

加奈子がフタを開けると、鍋の中には既に水が入れられていた。
コンロに火が点いていないのがせめてもの救いだろう。


チャポ…


足からそっと…
鍋の中に入れられた。

冷たい水の中に入れられ「ひゃあ!」と悲鳴を上げるのをぐっと堪える事が出来たのは能力者としてのプロ意識か。
身体は硬直させたままなので、頭を鍋のフチに、斜めに立てかけられた様な格好になっている。

「え~と、お湯加減はぁ~。ちょっと冷たいですねぇ。」


カチッ。

(!!)

コンロが点火された。

「あったかくなるまで、もうちょっと待ちましょうね~」

水面から出ている肩にゆっくりと水をかけてやる。





その時。


「よいしょっと。ただいま。」

玄関から惣一の声がした。父親の予想外の帰宅の早さに焦る加奈子。
咄嗟に土鍋のフタを閉めるのと同時に、買い物袋を持った惣一がキッチンに戻ってくる。

「あれ?まだ着替えてなかったのか。何してんだ、そんな所で?」

「あ…え…と、何でもないのー。じゃあカナ、着替えてくるねっ」

パタパタと足早に部屋に戻る娘の姿に首を傾げる惣一。

「変な奴だな?」

しかし、それほど気にする風でもなく、買って来たばかりの食材を再び切って行くのだった。








― 4 ―

「こんのぉ~!」

土鍋の中では和泉が必死にフタを開けようと踏ん張っていた。お湯の温度は、お風呂としては最適になっている。
少しでいい。脱出出来るくらいの隙間が出来てくれれば…。

「はぁ…はぁ…」

どれだけ頑張っても、土鍋のフタは重く、満足に動いてくれない。思い切り力を込めるのと同時に、ほんの少し、フタの端が持ち上がる程度だった。

時間が経つにつれ、お湯は益々熱くなっていく。そして…ほとんど密室状態である鍋内の酸素も薄くなっており、和泉の意識は朦朧としていた。
このままでは死んでしまうかも知れない。でも、元の大きさに戻れば助かるだろう。しかし、鍋の外には人が居る。
世の能力者達の存在が、自分の起こした行動の為に、公になってしまうかもしれない。
そうすれば『うちの会社』にはもちろん、全能力者に多大な迷惑が掛かるどころか、存在が世間に知れ渡る事によって、社会体制に影響が出る可能性さえある。
しかし…今この鍋の外にいる人間…惣一を何とか出来れば、あるいは…。

「い…命には代えられないわ…」

和泉は身体を元の大きさに戻す事を決意する。
が、悲しいかな彼女には既にそれすらの力も残っていなかった。

(もう…ダメ…)

遠のいて行く意識の中、和泉は仲の良い能力者達の顔を思い出し、心の中で謝ったのだった。









― 5 ―

「さて、と。つみれも出来たし、そろそろ鍋を火にかけますか」

出汁用のワカメを手に、土鍋へと近づく惣一。

「あれ?既に火が点いて………ぶっ!?」

フタを開けた惣一は、鍋の中を見るなり吹きだしてしまった。

「何で人形が煮込まれてんだよ…加奈子ぉ~?」

やれやれとばかりに、沸騰しかけているお湯の中に「あちち」と手を入れて人形を取り出す。
熱くなった人形の身体からがホカホカと湯気が立っている。

「何かえらくリアルな……柔らかいな」

指先で人形の乳房をつつく。




ピクッ…。


閉じられた人形の瞼が動いたような気がした。

「ん…。まさかこの人形…。」

不審な顔でじっと人形の顔を覗き込む。先程は料理に集中していて気付かなかったが、惣一はその顔に見覚えがあった。

「まさか!?」

指でペチペチと人形の頬を叩く。

「おい!…おい!?」

「ん…」

人形の目が開いた。

「あ…たし……」

焦点が定まらない目をしている。

「ほら、これでどうだ?」




ビシイッ!!










― 6 ―

一瞬にして和泉の身体を氷が覆った。
数秒の後、氷がブルブルと震え、自らパリンと砕け散る。

「ひゃあっ!!」

「よ、気がついたか倉田?」

「何するのよ!!」

「そんだけ怒る元気がありゃ大丈夫そうだな。あわや全身大火傷ってか。間に合って良かったよ。」

「え…伊藤さん…?」

先程人形のフリをしている時に和泉は彼と対面したが、脱出方法を模索していたのと、腹が立っていた事が重なって惣一だとは気付かなかった。


伊藤 惣一。
氷を生み出す能力を持つ、特殊能力者の1人である。会社でも何度か和泉とは顔を会わせているが、お互いの持つ能力までは知らなかった。







「なるほどね。じゃあ今回の任務は失敗したわけだ。」

「ぐ…。また明日、明後日とチャンスがありますよ!絶対こなしてみせますからね!」

「勇ましいねぇ。」

元のサイズに戻っても着るものが無いので、和泉は再び汚れたドレスを着ている。

「じゃあ、そろそろ…。あの子が戻ってこないうちに帰りますね。」

「ああ、それなんだが…。もう一度だけ人形になってもらえんか?頼む。」

「はい?」









― 7 ―

トントン。

「お父さんだ、入るぞ。」

ドアを開けると、加奈子が何かを恐れているように身をびくつかせた。

「こぉーら。鍋に人形なんか入れやがって…全く」

「だって、お人形さんがかわいそうだったんだもん…」

ふぅ…と溜息をついて、惣一は加奈子の前に身を屈める。

「あのお人形さんなんだけどな…。持ち主が見つかったぞ」

「え?」

「本当のおうちに帰してあげるのが、お人形さんにとっても幸せだって…わかるよな?」

「うん…。」

分かるけど…手放したくない。そんな表情を浮かべながら加奈子は頷いた。


「今、家の前に持ち主の人が来ててな…。返す前にお別れの挨拶をしておきなさい」

惣一が差し出した手には、さっきの人形が握られている。
服は汚いままだったが、肌のよごれは取れていた。

「バイバイ…元気でね」

そう言うと、加奈子は人形の頬にそっとキスをした。
最初は寂しそうな表情の加奈子だったが、決心がついたのか、彼女はいつしか嬉しそうな表情に変わっていた。

「それじゃ、返してくるよ。もうすぐしたら晩ご飯だから、後で降りてきなさい」


「うん!お人形さん、バイバーイ!」












― 8 ―

学校での出来事、そして帰り道に拾った人形の事。
2人きりだが、決して寂しさを感じさせない空気の中、惣一と加奈子は話題を絶やす事無く、夕食の時間を満喫していた。

「どうだ?お父さんの鍋、美味いだろ?」

「うん、特にお汁がおいしいね!」

「あ…ああ、いつもと違う出汁を使ってみたんだ…わはは…」



(すまん、倉田。俺も所詮男だ…。)



「だしってな~に?」と言う娘の質問を頭を掻いて上手くごまかしつつ、惣一は鍋をじっくりと味わいながら箸を進めていた。

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[C2] あとがき

早速リクを頂きましたテーマを元に書いてみたら、結構な長さになりました。今の私の力ではこれが限界なのですが、お気に召して頂けるかどうか心配です…。
  • 2007-03-08
  • 投稿者 : ぱるばと
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[C3] 萌えました!

まず、もう…こちらに書いてよかったのでしょうか?
不味かったら削除してください。(^^A
それにしても、萌えましたねー♪
途中の描写もいいですが、鍋の中で煮込まれている(?)和泉を想像したら、それは…もぉ~っ♪
お父さん役も、同業者ということで、うまくフォローしましたね。
さすがですw
更に、最後の娘の台詞もいいですが、お父さんの…
「「あ…ああ、いつもと違う出汁を使ってみたんだ…わはは…」
(すまん、倉田。俺も所詮男だ…。)
――は、ナイスですw
この和泉の話、ぜひ…シリーズ化して欲しいですね。
P,S,リンクの張替えは、いつごろ行ったら良いでしょうか?

[C4]

>るりょうりに ケンさん

早速ご覧頂いた上、コメントまで…ありがとうございます!お気に召したようで一安心です^^;
このSSには「さいきっく事件簿」と命名致しましたが、シリーズ化を考えてます。色んな娘に人形になって欲しいので、毎回違う主人公で行こうかなと思ってたのですが、ご要望頂いた事ですし、機会があれば、再び主人公なり、脇役なり、何らかの形で和泉をまた登場させてみたいと思います^^

あとサイト名もようやく決まりましたので、リンク大丈夫です。ありがとうございます!
  • 2007-03-09
  • 投稿者 : ぱるばと
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