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[C17]

続きマダー?
楽しみにしてます^^
  • 2007-05-28
  • 投稿者 :
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[C20] ありがとうございます

続きを楽しみにしている…なんて初めて言われましたので、只今PCの前で小躍りしております。
嬉しいお言葉に奮起させられ、早速更新致しました。お好みの展開かどうかは分かりませんが、少しでも「ぐっと来るもの」を感じていただければ幸いです。
  • 2007-05-28
  • 投稿者 : ぱるばと
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さいきっく事件簿 ACT.5-3

― 4 ―



―っつう~。

まだ額がジンジンする。
私が入っている箱を、誰かが大きく揺さぶった時に、頭をぶつけてしまったのだ。
手で頭をさすりたいとこなんだけれど、それはできない。
とびっきり可愛い妖精の人形になっている私を、気が強そうな青いバニーガールが観察している。

私は「気を付け!」のポーズで身体を硬直させている。
青バニーがじっと私の顔を見ている時はまばたきさえしてはいけないが、私を裏返して背中を見ている時にさっと周囲を確認する。

この部屋にいるのは3人。
1人は今私を手にしている青いバニーガール。
1人はディーラーの男性。
そしてもう1人は、おとなしそうな顔つきの赤いバニーガール。

いた。さっきのサイコロゲームの進行役はこの赤バニーだ。
肝心のサイコロはどこにあるんだろう。
カジノのスタッフルームへの侵入に成功したとは言え、まだ自由に動き回る事はできない。
この場にいる3人がいなくなるまで、おとなしく待っていなければならないのだ。

「じゃあ俺はラウンドの片付けに戻るわ。お前等も休憩が終わったら来てくれよ。」
男が部屋から出て行った。
「だってさ。」
「うん、私達もそろそろ手伝いに行かないとね。」
「いいじゃん、もう少しゆっくりしようよ。」

2人のバニーガールはソファの上に腰を下ろした。
2人はしばらくの間、私を弄ったり談笑していたが、やがて手持ち無沙汰になったのだろう。
私と、テーブルの上に置いてあったサイコロを絡めて遊び出した。
私の足でサイコロを蹴ったり、サイコロの上に立たせようとしてみたり。
このサイコロが例のイカサマ疑惑のものだろうか。

「おーい。2人とも何してんだ。いい加減手伝えよ!」
ドアの向こう側から先程の男の声がした。
「ほら、青野さん怒ってるよ。」
「もー、仕方ないわねぇ。」
私をバランスよくサイコロの上に立たせたまま、2人のバニーガールは部屋を出て行った。




「ふぅ。」
やっと身体の自由を許可された私は力を抜き、そのまま足元のサイコロの上に腰掛けた。
人形のフリをする事には慣れているものの、相手に顔を覗き込まれている時の緊張感だけは何度経験しても慣れるものではない。
そうそうバレる事はないだろうと、ある程度の自信はあるものの、心臓が早鐘を打つのはどこかに不安が残っているからだろうか。

私のお尻の下にあるサイコロをぺちぺちと叩きながら考える。
これが例のサイコロなんだろうか。
まずはそれを確認しなくちゃいけない。

「和泉!」

ビクゥッ!

ふいに名前を呼ばれ、サイコロに座った状態のまま、反射的に人形のフリをした。
「アハハ、ウチやてウチ!」
聞き覚えのある声と言葉使い。もしかして―。
身体を硬直させたまま、目だけで声の主を探す。
「ここ、ここ!」
私が向いている正面。上にぬいぐるみや人形、花束が並べられている棚がある。おそらくこの店への贈り物なのだろう。
そこで、大きく手を振っている人形―いや、小人が1人。

―やっぱり。

茜だった。
「ふぅ。」と再度溜息を付き、棚の上でアピールしている彼女を見据えた。
「何でアンタまでここにいるのよ!」
「ウチかて大したもんやろ?和泉より早うに侵入したったで!」
茜は私の問いには答えず、得意満面な笑みを浮かべている。
「1人で待ってろ。」と言われて、おとなしく従うような性格でない事は知ってたけど、まさか先に棚の上の人形群の中に紛れてたなんて。
茜は棚の取っ手を足場に、ヒョイヒョイと身軽に床に下りると、今度は私がいるテーブルの上まで這い上がって来た。
「ふぃ~。」
「茜、服そのままじゃないの。」
私は可愛い妖精に『変装』しているから良いものの、茜は服ごと縮小してから着替えてないらしい。
いくら小さくなったとは言え、さっきまで店内で騒いでいた客と瓜二つの人形が落ちていれば店員達は不審に思うだろう。
「見つかったらどうするのよ、そんな格好で。特にアンタの顔はこの店の人間達にがもう覚えられてるわよ、きっと。」
「大丈夫やて、見つかってへんねんから。結果オーライや!」
呆れた。彼女の事だ。私とは違い、店内を走り抜けてここまで走り抜けてきたのだろう。
その姿が容易に目に浮かぶ。
「そうそう、そのサイコロが例のヤツやで。閉店度、あの赤いバニーが持って来よってん。」
なるほど。私が丁度欲していた情報を、茜は提供してくれた。
「な、ウチかて役に立つやろ?」
「まーね、ちょっとは認めてあげるわ。よっと。」
私はサイコロからテーブルの上に下りた。
「さてと、このサイコロだけど、どう?茜は何か不審に思う事ある?」
「うーん、まだ。サイコロ側に仕掛けが施されてるとも限らへんしなぁ。」
そうなのだ。イカサマといっても、サイコロには特に何も仕掛けず、店員が何らかの方法で操っている可能性だってある。

通常カジノ等の賭博場では、仕掛けが無い事を証明する為にプラスチックやガラスと言った透明の素材で作られたサイコロが用いられる。だけど、今私達の目の前にあるのはごくごく一般的な白いサイコロ。
中に何かが仕込まれている可能性もあるけど、金属は探知できなかった。
『特定の目だけ』を出やすくするのなら簡単なんだけど、客の賭け目をことごとく外すその仕掛けがわからない。
やっぱり、あのバニーが何かしているのだろうか。正直、あの支配人も怪しい気がする。

「でもあの赤いバニー、何も知らん感じやったで?」
「とりあえず、バニーや他の店員の可能性を考えるのは、このサイコロが『白』だと判明してからね。」




「なぁ和泉。このサイコロやっぱおかしない?」
サイコロの向こう側、つまり6の面を調べている茜が言った。
「うん?」
1の面を調べていた私は一旦手を止めて聞き返した。
「おかしいって、どうおかしいのよ?」
「分からん。」
「何よそれ。」
「サイコロなんやけど、サイコロじゃない気がすんねん。」
ますます意味がわからない。

茜の直観力には目を見張るものがある。
時々ではあるが、何の根拠も無い彼女の発言がズバリ的中する事があるのだ。もしかしたら、それも彼女に備わった縮小能力以外のもう1つの能力なのかも知れない。
「だからそれってどう言う事?」
「うーん、わからん。」
サイコロだけど、サイコロじゃない。どういう事なんだろう。
とりあえず茜も現段階ではこれ以上何も分からないようなので、私もサイコロの調査を再開する。
なんとなく、1の目に手を入れ、内を掻き回すように触ってみる。
茜は何を思ったのかサイコロに抱きつき、何故か頬擦りをしている。
「…何してんのよ?」
「何か分かるかなと思って。」
本気なのか、ボケなのか分からないが突っ込む事はしなかった。
その時、私が触っていた1の目が少し柔らかくなった気がした。
「え?」
それどころか、凹んでいたハズの1の目が徐々に表面に出てきているのが分かった。
「何よこれ。」
手で押してみると、弾力がある事が分かる。
明らかにサイコロの持つそれとは異質な感触。

「えい。」
軽く蹴ってみた。
ぐにゃっとした感触が足の裏に伝わって来た。

うっ。

「え?」
「あ?」
「茜、今なんか変な声出した?」
「いや、今の和泉のんとちゃうの?」
「何で私なのよ!」

ガチャ。
つまらない問答をしていると、急に部屋のドアが開き、赤い方のバニーガールが顔を覗かせた。
後片付けを含む、一日の業務を終えたのだろう。彼女の服装は普段着へと変わっていた。
彼女の急な出現に茜は隠れるタイミングを逃し、その場で人形のフリをする。もちろん私も可愛い妖精人形へと戻る。
バニーガールでは無くなったバニーガールは少し焦ったように部屋に入って来るなり、辺りをキョロキョロと見回した。
「あ、あったぁ~!」
一直線にこちらに向かって来ると、サイコロを手に取り嬉しそうに独り言を漏らした。
「オーナーに返すの忘れてた…。失くしちゃったかと思ったよ~。」
目の端からほろりと涙を流しながら、パタパタと足音を立てながら調査中のサイコロを持って行ってしまった。
彼女がサイコロの横に転がっていた茜に気が付かなかったのは不幸中の幸いか。
「持って行かれちゃったね。」
2人揃って身体を起こしながら、名残惜しそうにバニーが出て行った方向を見つめていた。
「引き上げ時かもな。あのサイコロは支配人に返さなアカン言うてたし、これ以上調べるのは無理やろ。」
「そうね。」
でも今日の収穫は大きかったと思う。
サイコロのあの感触は何だったんだろう。
あの柔らかさは、むしろ生物的なものを感じる。
そして確かに温かかった。

やはり今日のイカサマにはサイコロの方に何かがある。
バニーはどうやら無関係のようだ。
静まり返ったカジノから抜け出す際、茜も同じ事を言っていた。


―もしかしたら、今日の収穫だけで充分かも知れない。




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[C17]

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嬉しいお言葉に奮起させられ、早速更新致しました。お好みの展開かどうかは分かりませんが、少しでも「ぐっと来るもの」を感じていただければ幸いです。
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