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さいきっく事件簿 ACT.5-2

― 3 ―



今日も一日良く働いた…ような気がする。
ちょっとした騒動はあったものの、カジノも無事閉店時間を迎えた。

サイコロを演じきった疲れもあり、控え室へと戻る美樹の手のぬくもりが心地よい。
あとは美樹が俺を支配人へ返してくれれば今日の仕事も終わる。

今日も結構な額を稼いだんじゃないだろうか。
特にあの2人組の女。あいつらから相当巻き上げられたハズだ。
彼女達は最初からイカサマを疑ってかかった。
けれども、まさか生身の人間がサイコロに化けているなんて夢にも思わないだろう。
彼女達はイカサマを暴く為にまたやって来るかも知れない。
でも俺の変身能力は完璧だ。バレない自信はある。
その都度カモのしてやるから何度でも来いってんだ。



美樹は控え室のソファに腰掛け、いかにも疲れましたって感じで上を向き、手の甲を額に当てている。その間、俺は美樹の太股の合間に置かれてた。これも役得って奴かな。

「や、お疲れ、美樹。」

美樹の元にもう1人。青いバニーガールがやって来た。
えーと、名前は「サトミ」だったか。コスチュームと同じ色をしたショートカットの髪が良く似合う気が強い女だ。

「あ、里美。お疲れサマ。どうだった?」

「ん~まあ、大勝利!って大いばり出来る程じゃないけど、そこそこの戦果だったよ。」

「そうなんだ。今日はこっちは大変だったんだよ~。」

「美樹のところ、何か騒がしかったね。何かあったの?」

「お客さんにイカサマを疑われちゃってさぁ…」

「そりゃあんだけ毎日ボロ勝ちしてりゃ、疑われても仕方ないかもね。」

「えー、そんなぁ。私、何もしてないよぉ。」

「分かってる分かってる。でも美樹のお陰でこの店も相当利益が出てるんじゃない?」


里美の台詞に対して「それは俺のお陰だ」と口を挟みたくなったが、そうはいかないのがサイコロの辛いところ…。


「相当な強運の持ち主ね。今度美樹が客になって、どっかの店でギャンブルに挑戦してみなよ。アンタだったら絶対大儲けできるって!」

「アハハ…。このサイコロのお陰だよ。オーナーから預かったんだけど、幸運のサイコロなんだって。」


お、良く解ってるじゃないか美樹ちゃん。
それに対して里美は怪訝な表情を見せている。


「えー、何かうさんくさいよ、それ。」

「見てみる?」

「うん。」

美樹は俺をつまみ上げ、里美の手の平へと乗せた。

「ふぅん…」

いや、そんなに見つめられると恥ずかしいんですけどね。

「別に変わったところはないけど…」

今度は里美の指につままれ、上下左右と色んな角度から凝視される。
あっちを向かされ、こっちを向かされ、ゲームで振られている時とはまた違った感覚に酔いそうになる。

「見た目は普通のサイコロと変わらないじゃん。」

やっと里美の指の動きが止まった。
今の俺の「目」に当たる部分が里美に向かって斜め下を向いているので、彼女の胸の谷間がハッキリ見える。こうして見てみると、結構でかいな…。

やがて『ただのサイコロ』を観察する事に飽きた里美は、俺をソファの前に設置されているテーブルの上に置いた。



しばらくの間、女の子達が話に華を咲かせていると、控え室にまた1人、スタッフが戻って来た。
名前は……何だったかな。とにかく、オールバックが渋い男前。
確かバカラ担当だったハズだ。

「よ、お疲れ。」

「あ、青野さん、お疲れ様です。」

青野って言うのか、こいつ。どうでもいいんだけど。

「あれ、青野少し太った?」

「そういう里美こそ、またケツでかくなったんじゃね?」

「なっ…!?」

里美と青野がじゃれ合う姿を見ながら、美樹がくすくす笑っている。

「あ、そうそう。何かまたプレゼント来てたぞ。」

そう言うと青野は、手に持っていた小さな箱を2人に見せた。
この部屋の端に設置されている棚の上には、ぬいぐるみや人形と言った女の子が喜びそうな類のものが所狭しと並べられている。
全てこの店の女性スタッフや、支配人に惚れ込んだ男性客達から贈られたものだ。

プレゼントの中には、人形やぬいぐるみといった可愛らしいものもあれば、指輪やネックレス等のアクセサリー、そして宝石、中にはストレートに現金を贈って来た奴もいたっけ。その時は俺もオーナーから幾らかもらったけどね。臨時ボーナスだとか言って。


「またぁ?今日は誰から?」

「さあ?」

「さあ?って…判らないんですか?」

「ああ、店を閉めようとしたら、入り口に置かれてた。」

「んもう、恥ずかしがり屋さんねぇ。」

「でも外にこっそり置かれてたって…なんか怪しくないですか?」

「ま、少なくとも爆発物の類じゃないみたいだから。」

それを証明するように、青野が箱を派手に振った。



コンッ…。

『てっ…。』



「ん?」

「どしたの?」

「里美、今なんか言ったか?」

「ううん。」

「私も何も…」

「おかしいな、気のせいか…」

「ま、何が入ってるかなんて開けてみりゃ分かるじゃない。」

「だな。」


青野が箱を振った時、俺も何か女の声のようなものが聞こえた気がするんだが…。箱を振ったんで、その音がたまたま人の声のように聞こえただけなのかも知れない。


青野が包装紙を破り、箱を開ける。
3人で同時に箱の中を覗き込んでいるが、俺からは中身が確認できない。

「あら、なかなか可愛いじゃない。」

里美が箱の中身を取り出してくれたお陰で俺にも見えた。



人形だ。
露出の高いピンクのドレスを着ている。
ドレスとは言っても、ピーターパンに出てくるティンカーベルが着ているような、半ばワンピースみたいな妖精ドレスだ。
ドレスの他には右手首にブレスレットをはめているくらいで、他には何も身に付けていない。靴も履いておらず、裸足だ。
髪型は里美とほとんど同じ形をしているが、色は里美よりも薄い。青と言うよりは、水色か。

とにかく、今回の不審なプレゼントの正体は何て事はない、妖精の人形だったようだ。
前みたいに現ナマを期待してたんだけどなぁ…。






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