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正太郎の正体~ルージュ~

バニーガールの手が、自分の裸体を無遠慮に触ってくる。今、自分がまさぐっているものが実は人間だとは知らずに。そしてショートカットの女性客の指使い、そして舌使い。「はぁ。気持ち良かったよなあ」つい最近の記憶を引っ張り出し、彼はその余韻に浸っていた。桜井 正太郎。19歳。彼には、他人には無い特殊な力が備わっていた。いつからそんな力が身に付いたのかは自分でも解らない。―変身能力。正太郎はその能力でサイコロに...

さいきっく事件簿 ACT.5-4

― 5 ―次の夜。和泉は昨夜と同じカジノで同じ席に座っていた。昨日と違う事と言えば、隣に茜がいない事くらいか。当然、茜も和泉と一緒に入店するはずだったのだが、昨日の騒動が原因で入店を禁止されてしまった。店の入り口に立つ男が2人掛かりで「は~な~せ~!」と叫ぶ茜の腕をがっしり掴み、ずるずると店の外へと引きずって行ったのだ。(茜には悪いけど、いない方がやりやすいしね。)美樹もその様をハラハラしながら見守...

さいきっく事件簿 ACT.5-3

― 4 ――っつう~。まだ額がジンジンする。私が入っている箱を、誰かが大きく揺さぶった時に、頭をぶつけてしまったのだ。手で頭をさすりたいとこなんだけれど、それはできない。とびっきり可愛い妖精の人形になっている私を、気が強そうな青いバニーガールが観察している。私は「気を付け!」のポーズで身体を硬直させている。青バニーがじっと私の顔を見ている時はまばたきさえしてはいけないが、私を裏返して背中を見ている時...

さいきっく事件簿 ACT.5-2

― 3 ―今日も一日良く働いた…ような気がする。ちょっとした騒動はあったものの、カジノも無事閉店時間を迎えた。サイコロを演じきった疲れもあり、控え室へと戻る美樹の手のぬくもりが心地よい。あとは美樹が俺を支配人へ返してくれれば今日の仕事も終わる。今日も結構な額を稼いだんじゃないだろうか。特にあの2人組の女。あいつらから相当巻き上げられたハズだ。彼女達は最初からイカサマを疑ってかかった。けれども、まさか...

さいきっく事件簿 ACT.5-1

― 1 ―桜井 正太郎。19歳。彼もまた、特殊な能力の持ち主だが例の会社には属していない。もちろん「あの会社」の者がしょっちゅうコンタクトを取って来るのだが、その都度断り、半ば強引とも言えるその勧誘をやり過ごしていた。組織なんて言う窮屈な場に身を寄せるよりも好き勝手に、自由奔放に生きていたい。それに、お金の面でもあの会社よりも美味しい仕事がある。街の喧騒が遠く聞こえる入り組んだ路地裏。時刻はまもなく...